Photo Gallery

私のブログもしくはホームページをご覧いただいている
方は良く目にすると思いますが、かいらぎ(梅皮華)に
ついて今日は少し。

カイラギの由来は釉薬のちぢれが、鮫の皮で作られた刀の
鞘に模様がにており、そしてその模様は梅の皮が古くなり
縮れた様に見えることから、かいらぎ(梅皮華)と呼ばれ
るようになったようです。(たぶん)

難しく言えば、土の収縮率と釉薬の収縮率の差によりでき
るちぢれのことです。

昔は意識してかいらぎを出そうと考えていたわけではない
と私は思います。
おそらく当時、まわりの環境で採取できる材料により、必
然的になったものでしょう。
それをのちの茶人が見所の一つとして見立てたのです。

そのように考えてみると、偶然できたものを現代の陶工は
必然にしようと努力をしているのですから、難しいことは
当たり前ですね。

とにかくかいらぎを出すことは難しいです。
いろいろな角度からテストを重ねていくことの繰り返しで
すが、それでもなかなか思い通りにはいきません。
(あまりかいらぎが出すぎると私の奥さんからは、気持ち
悪いと言われる始末ですが、それでもテストは止めません)

みなさんはどのようにしているのでしょうね。

ちなみに私の最近のかいらぎ作品です。↓↓
井戸茶碗高台
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彫唐津ぐいのみ
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作品を紹介しております。
よろしかったらご覧下さい。
唐津焼ギャラリー 雷山房




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5月26日(金)は曹源窯さんへ窯焚きのお手伝いへ
行ってきました。

いわゆる攻め焚きと呼ばれる工程です。
横の焚き口から小さめの薪を放りこんでいる様子です。
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通常、窯の天井に数箇所の穴を見つけることが出来ます。
湿気抜きや温度・火の流れがわかります。
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曹源窯さんの窯は朝鮮式まんじゅう形4連登り窯です。

火入れから考えると30時間くらいでしょうか。
かなりの長丁場となります。

しかし昨日は程よい気温と気持ちの良い風が吹いていましたので、
真夏の窯焚きに比べると消耗度が低く、今日もこうして元気に仕事
が出来ています。

聞いたところによると、備前焼などは2週間も窯を焚くそうなのです
が、想像することすら嫌です。
昔などは数ヶ月かかったとも聞いております。
ちょっとした拷問ですよね。

各やきもの産地によりいろいろな窯の焚き方がありますが、唐津
の窯の焚き方はたくさんの灰を必要とはしませんので、それぞれ
の釉薬・土にあった温度・カロリー(熱量)に達すれば良いという
考え方です。


陶芸の経験がない方からよくどのようにして温度がわかるのですか
と質問を受けます。
通常は温度計や温度を測る指標(ゼーゲルコーン)そしてテスト
ピースなどでタイミングを計りますが、やはり最終的には人の感が
決め手になります。
この感とは、当てずっぽうという意味ではなく、経験に基づく感覚
です。
毎回、窯の詰め方が違えば湿度温度も違う。
すべての条件が違いますので、100%同じ条件にはなり得ません。
となると、あとは経験測しか手立てはないのです。
たまに炎の色で温度がわかると聞きますが、ある程度はわかるにして
も数度の差はわからないと思います。
茶道具を焼く場所などは5℃差で焼き損じることがありますので、
使える手段はすべて使ってでも丁度良い加減で焼きたいと考えるこ
とが通常だと思います。そうなればおのずと温度計やなにかしらの
目安となるものを使った方が確実ではないかと私は考えます。

いずれにせよ結果がすべての世界です。

あとはよく出来上がることを祈るばかりとなります。

ちなみに曹源窯さんの作品で興味のあるものがございましたら、
私へ御一報下さい。
お尋ねして画像だけでもお送りさせて頂きます。
通常窯開き後数日内には良い作品は、出て行きますので、この
ブログを見られた方は、お早めにご連絡下さい。

作品を紹介しております。
よろしかったらご覧下さい。
唐津焼ギャラリー 雷山房



酸化焼成の作品がいくつか出来上がりましたので、
近いうち、ホームページへアップします。
朝鮮唐津徳利は今日アップするようですので、ご覧
下さい。

今日は焼成方法について、
焼成方法には簡単に言って、3通りあります。

酸化焼成、中性焼成、還元焼成と呼ばれる方法です。

酸化焼成とは酸素が十分に供給された状態で焼かれる
ことで、還元焼成はその逆で、酸素供給が少ない状態
で焼かれることです。
中性焼成はその名の通り二つの間です。
わかりやすく言いますと、ろうそくの先の赤い部分は
酸化、根元の青白い部分は還元です。

どのように違うかと言いますと、酸化とは分子が大気中
の酸素と結びついている状態でです。
還元は酸素と結びつかない状態ですので、元々の分子状
態になる考えてよいと思います。
同じ鉄でも、第一酸化鉄(FeO2)や第二酸化鉄(Fe2O3)など
というものがあるように、酸素と結びつくことにより構造
が変わりますので、当然目に見える状態も変わります。

ですから、同じ土で同じ釉薬を使っても全く違った雰囲気
に仕上がるのです。
例を挙げてみます。
絵唐津片口鉢(酸化焼成)
212i.jpg

絵唐津片口鉢(還元焼成)
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全く違う色に仕上がります。

今日はここまで。

また、いろいろとこのブログ内で記事にしますので、ご覧
下さい。

作品も紹介しております。
よろしかったらご覧下さい。
唐津焼ギャラリー 雷山房


今週もまじめにお茶の稽古に行ってきました。

とにかく奥が深い。毎回毎回反復練習です。
しかし、すべての所作には理由があり、400年以上の
歴史を感じることが出来ます。

今日はその中から一つ例を挙げてみましょう。
お茶会(茶事)に招かれた場合、正客(メインのお客様)が
箸に手をつけるまで他の方は待ちます。
一般社会でもとても大事なことだと思います。
しかし、今日では食事に行っても、目下の人の料理が目上の人
の料理より先に来た場合、先に手をつけることもしばしば見受け
られます。
何かが間違っているのではないでしょうか。


話は変わりますが、私通っている教室の話を少し。

私の先生は福岡県博多支部の副幹事長をされている
方です。
とてもお忙しい中、生徒が一人でもいつも気軽に稽古の
時間を作ってくださり、申し訳なくも、とても継続し易い
環境で稽古させて頂いております。
(ちなみに生徒募集中だそうです。
ご興味のある方は私に御一報下さい。)

やはり何かを習うと言うことは、教えてくださる方を
尊敬そして考え方に共感出来なければならないと思い
ます。

私の先生はとても理解しやすい言葉を使って説明して
くださいますので、頭で覚えるだけでなく根拠から覚え
ることが出来ます。記憶力にとても自信の無い私でも
なんとかすこしずつでも前に進んでいくことが出来るよう
です。

やっと一つの手前(お茶を出す一連の動作)中は痺れが切
れなくなってきました。

とはいいましても茶事(訪問から懐石・お茶を頂く一連の事)
は3,4時間座りっぱなしです。
まだまだとてもではありません。
もっともっと修行が必要です。

先は長そうです。気長に頑張ります。

作品も紹介しております。
よろしかったらご覧下さい。
唐津焼ギャラリー 雷山房



先日の記事で書きました朝鮮唐津の焼成の結果です。

内容としましては、注文品の片口鉢がなんとか数は揃い
成功ましたので、ほっとしました。

今回は原土(山から採取してきた土)に鉄分が多く含んで
いたらしく、面白い表情の朝鮮唐津になったと思います。
きれいな作品とこのような鉄分の噴いたような作品と両方
良いなと感じました。

注文品の片口鉢
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もう少しで斑釉(白)が流れ落ちるところでした。
ほんの5?10℃の違いです。

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とは言いましても、
他のぐい呑全滅、徳利4点成功、茶碗1点成功でした。

朝鮮唐津茶碗
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朝鮮唐津徳利
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成功率としては30%。
他の作品に比べればかなり低いように感じますが、この
程度であれば及第点なのです。

なかなか思い通りにはいきません。
しかし、朝鮮唐津は根強い人気があります。
このような困難を乗り越えて出来るものであるからだと
信じてまた頑張ります。

また、近いうちにホームページの方にアップしますので、
ご覧下さい。

他の作品も紹介しております。
よろしかったらご覧下さい。
唐津焼ギャラリー 雷山房


我が家のジョンとチチをご紹介します。
まずは犬のジョンです。

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もうすぐ9歳になろうかとしています。
犬の9歳は人間で言うと還暦前くらいでしょうか。

そういえば、今年の2月に突然、椎間板ヘルニアに
なってしまい、下半身付随になりました。
最初は何がどうなったのかわからないほど、突然の
出来事に驚いたことを覚えています。

いつもどおり散歩しようと夜出かけると、後ろ足が
ガクガクと力の入らない様子で歩かなくなり、しまい
には一歩も動けない状況となって座り込んだのです。

次の日、わけもわからないまま動物病院へ。

すると予想していたように椎間板ヘルニアでした。
しかし、レントゲンだけでは詳しいことがわからない
らしく、専門医にMRIを撮ってもらうことになったので
す。

その専門医によると、椎間板ヘルニアで付随になり、
MRIを撮りに来る犬の80%はミニチュアダックスとの
ことでした。
年齢もさることながら、段差やジャンプがあの長い腰
に負担をかけるそうです。

検査の結果がでました。

やはりヘルニア。

薬による治療か手術かを選択せねばなりません。

どちらも50-50.

悩んだ末、薬の治療を一週間から10日ほど試みて、そ
の結果でまた判断しようということになり、一旦帰路に
つきました。

今はステロイドとビタミン剤でなんとか散歩できる程度
に歩けるようにはなりましたが、100%の回復は期待
できないとのことでした。
しかし、最初の頃を考えると、自分で歩くことが出来る
だけで幸せのような気がします。

ダックスフンドを飼っている皆さんお気をつけ下さい。
どんな病気もそうですが、早期発見早期治療がカギらしい
ですよ。

●おまけ●
もうすぐ1歳になろうとしているのですが、猫の口の中は
きれいです。
怪獣みたいですが・・・・・・。

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今日はお茶の稽古でした。

大体毎週月曜日の夕方と決めていますが、突然の仕事などで先生
には大変ご迷惑をおかけしています。この場を借りて、申し訳あ
りませんと言わせてください。

さて、ご存知の方は多いと思いますが、5月になると風炉と言い
まして、茶釜が畳の上へ据えられます。
11月?4月までは炉と呼ばれます。この時期は畳の一部を切っ
た中の囲炉裏へ据えられます。

この5月になると炉から風炉へ変わるのです。

この変わり目は難関です。

なぜかと言いますと、当然ですが、前の年の10月から風炉の
稽古はしていませんので、すっかり忘れてしまっているのです。
情けないやら、悲しいやらですが、この繰り返しがお茶のお稽古
なのですね。

よく私の先生が使われる言葉に、
「稽古とは一より習い十を知り十よりかえるもとのその一」という
言葉があります。
これは千利休の残した歌の「利休百首」の中に書かれているもので
すが、一段階から習い十段階までを学び、そしてまた1段階へ戻り、
また十段階まで行くことを繰り返すことが、稽古であるということ
です。
そして毎回一段階へ戻るたびに知らず知らず少しずつ進歩していると
いう意味です。

図解↓↓↓
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この言葉は学ぶということについてはすべてに共通すると私は考え
ます。
私が根負けしそうな時、思い出す良い言葉の一つです。





本日九州は変な天気でした。
雨が降ったり、止んだり、晴れたり。

ここ最近ずっとこんな調子です。

やきもののほうといえば、今日は窯積め。
明日、朝鮮唐津の焼成です。
朝鮮唐津は成功率がかなり低いので、毎回が緊張です。
注文品が入っているので、今回は成功させねば・・・。
(実は一度失敗しています。日常茶飯事ですが、やはりつらいです。)

お客さんからめずらしいアジサイを頂きました。
フェアリーアイという名らしいです。
とてもきれいです。夏過ぎまで大丈夫とのことで驚きです。
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また別のお客さんからは博多名物明太子を。
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今日は頂き物ばかりで申し訳ない。
いつか良い作品が焼けたら、プレゼントしようかな。



やっとのことでブログを立ち上げました。
いくらホームページより簡単とはいえ慣れないことで苦労の連続。

プロフィールの猫はうちのチチです。
たまに奇妙な姿で寝ています。
ありえませんよね。


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若輩者の私が何を書いているのか自分でも可笑しくなりますが、今日は葛藤というテーマで書いてみたいと思います。

人が生活してゆく中でさまざまな葛藤がありますよね。

皆さん容易に想像つくとは思いますが、私の仕事内の葛藤は良いもの・満足いく
ものができないということです。

いつでも100%の出来は無いとよくテレビなどで芸術家が言われてるのを目にし
ます。

私の場合そうではないような気がします。

作品の良し悪しを決めるのは窯から出した瞬間です。
100%ではないにせよその時点での自分の技術力の中では良く出来たと思えるも
のもたまにはあります。
その瞬間に自分を冷静に判断して、作品となるものや捨てるものを決めてゆくの
ですが、時間が1分1時間1日と経つにつれて評価が下がることが大半なのです。
しかし、中には上がることも稀にあります。
これは唐津焼の特徴にある変化してゆくことによるものです。
なんの変哲もの無いものが時として化けるのです。
こういったものはその時点での技術力が不足していると分かっていても初めの色
や形に関係なく、数年後もあの時出来たこれはよかったなどと思えることもあります。
いわゆる炎・土の神様に手助けしていただいたのでしょう。

これはお客様から言われた一言から気づいたことなのですが、美しい・すばらしい・
良い出来などといった評価は人それぞれ違いますし、表現がとても難しいです。

しかし簡単な判定を教えていただきました。

それはいつまで経っても飽きのこないこと。

ただそれだけです。

使っていて、飾っていて飽きのこないということが良い物といったものではないかと
思います。
形・有名人が作った・金銀が使われているなど関係ないのです。

確かによく言われているように、一生100%満足いくものは出来ないとは思います。

しかし、それだけでは面白くありません。

私達陶工もたまには自己満足で今回のこれは今の自分にしてはよく出来たと思い
たいのです。
ですからこの手記を読んでいただいている炎の神様がおられましたら、是非今度力
を貸してくださいと言いたいです。
私の憧れるやきものと言えば、古陶磁といえます。

古陶磁のなかでも、李朝・唐津に関しては特別です。

なぜ特別なのかは自分でもわかりません。九州で生まれ育った私のDNA
になつかしさや親近感が残っているのかもしれません。

とても漠然とした表現なのですが、古唐津・李朝陶磁は飽きがこないのです。
作為のない形・釉薬・焼きがそうさせるのでしょう。

現代の資本主義競争社会で生活している以上、やきものを焼き、売る
ことも競争です。
その競争のなかでは個性がとても重要になると思います。
ほとんどの陶工が悩むところでしょう。

個性を出すということに関しては、たくさんの方法があり、特殊な釉薬を
作る、奇抜な形、焼き方などさまざまです。

しかし、私が求めている所は、先ほど述べた二つの焼物のように、
作為がなくシンプルでありながら、個性を出すということです。
だれが見ても「これは誰々の作品」とわからなければいけないのですから
とてもむつかしいことです。
そのためにはやはり技術による裏づけがないと無理だと思います。。
しかも作るだけの技術だけでなく、釉薬や焼き・土すべての技術が必要と
なるでしょう。

私が曹源窯さんに通い始めたこともその理由があります。
私が唐津焼を好きになった理由は第1話で書きましたが、その直後にどうし
ても唐津を焼きたくなり、窯元を見学して回ろうと思った際に、唐津焼窯元の
パンフレットを手に入れ、どこに行こうか探しました。
他の窯元さんにはとても失礼ですが、私の好みの唐津焼(=古唐津に近い)
を焼かれる作家は曹源窯の小島さんだけでしたので、他には一切行かずに
迷わず小島さんのところのみを訪ねました。
人柄にも惹かれ、それ以来出入りさせて頂くようになり、とても勉強させてもら
っています。

その当時は個性があるとかないとか全く考えていませんでしたが、今考えて
みるとシンプルな形でありながら、個性のある小島さんの作品に惹かれたこ
とは間違いないでしょう。

古唐津や李朝のなかにも良い作品から平凡な作品まで色々あります。
現代に生き、そのようなお手本がある以上は、それを踏襲し超えねばならないと
考えております。

ただ、悔しいことに400?800年経過しているという月日だけはどうしようも
ありませんが。

これからも精進を重ね、努力しますのでどうか飽きずにまたこちらへお尋ねく
ださい。

よろしくお願いいたします。


シンプルながら個性があると思いませんか
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形の良い斑唐津茶碗
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今回は私が今挑戦していることについて書こうと思います。

唐津焼の魅力」で書きましたように、唐津焼にはさまざまな技法が生
まれました。
それは土の種類の多さに起因するところなのですが、同時に私達現代
陶工の悩みにもなります。

すべてにおいて100%成功ということは、一生ありえないことなのですが、
ある程度、世に出せる作品の完成度にすることでさえも、かなりの時間を
要します。
なかなか思い通りにならないので、やりがいもありますが、正直に言って
あまりにもテストの繰り返しをしているとたまにあきらめそうにもなります。
しかし、窯を開けた瞬間に思い通りになっていた時の気持ちが忘れられず
「テスト繰り返し地獄」に再び足を踏み入れてしまいます。

単純な性格でよかったと思うことが多々あります。そうでなければ、今頃
どこで何をしているやらです。

ここで朝鮮唐津を例に取り、説明させていただきます。
朝鮮唐津などは失敗するときは、一回の窯すべて失敗しますし、成功した
としても窯に入れた作品の2,3割位です。そうして全体的に考えてみます
と、1?1.5割の成功率といったところでしょう。
しかも、窯の中でも焼ける箇所は限られていますので、一度にたくさんは
焼けません。


朝鮮唐津正面

朝鮮唐津背面


貝高台


上記の画像はあくまで私的に成功した例です。
作家は人それぞれどの程度が成功か失敗かの基準があります。
私の朝鮮唐津についての成功の基準は
1.全体的に満遍なく、美しく流れている
2.釉薬が流れすぎない
3.釉薬に合った形になっている
4.歪みすぎない
などです。

とにかく難しいのは丁度良い流れができることです。

1.2..朝鮮唐津の釉薬は2種類の釉薬を掛け分けるのですが、得てして流
れつき易いものです。流れすぎると底がべたべたに釉薬で汚れてしまい、
大事な高台を見ることができません。流れない場合はきれいな条痕には
なりませんので、論外です。
3.形の選定は作った段階でしますので、焼く前に処分することがほとんど
ですが、たまに成功しても違和感のある形に出来上がることもありますの
でそういったときは、商品にはしません。
4.この釉薬はとても高温で焼きますので、形が歪みやすいです。
とくに花入・水指などは高台の下に貝殻を置く、貝高台(上記画像参照)に
していますので貝殻が窯の中で崩れ、作品が倒れることもありますし、変
形することは往々にしてありますので、そういった場合は泣く泣く廃棄処分
です。

成功させるためのポイントは、まずは土の選定→形→釉薬の調合(原料
の選定)→釉薬の濃度→焼き といったところでしょう。
この要因はすべての技法において共通しています。

成功の要因はすべての条件をみたすことで、失敗の要因はどれか一つの
要因でも欠けていた場合です。不公平だとおもいませんか。
しかし、その困難を乗り越えてできた作品は自信をもって、値段をつけるこ
とができますので、あるべくしてある困難なのでしょう。

へたくそな文章を長々と書いてしまいましたが、読んで頂いた方には感謝いたします。
私が唐津焼を好きになったきっかけは、美術館で古唐津の作品を
みたときでした。
その当時はまだ福岡市に出光美術館があったのです。
ガソリンスタンドの横から入っていくのですが、本当にここかなぁと
思ったことを覚えております。

それから数ヶ月して、骨董屋さんで一部欠けてはいましたが、絵
唐津の茶碗を手にとって触れる機会がありました。
数ヶ月前に美術館で見た茶碗はすばらしかったのですが、その
茶碗に関しては、「へたくそやなぁ」と思ったことをよく覚えており
ます。

しかし、何度か通い、見ているうちにしっとりとした肌合いや、当初
幼稚に見えた絵に対する印象が変わってきたのです。

とにかく、上手ではなく自由に闊達に絵が描かれており、しかもその
肌合いはなんともいえないやわらかい印象でしたので、形うんぬん
ではなく全体的な雰囲気がとても好きになってしまいました。

今思えばその当時は、遊び程度のやきものしかしていなかったの
ですが、その時をきっかけに本気であのようなやきものが作りたいと
考えるようになったのでしょう。
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なぜあのような肌合いのやきものが出来ないのだろうかと、
しばらく時間が経ったころに冷静に考えてみました。しっとりと
した肌合いや小さな貫入は400年経過しているということが
とても大きな要因なようです。
時間が経つにつれ、やきもの自体が乾燥収縮を繰り返し、あ
のような小さな貫入ができ、多くの人の手に触れることにより
角やざらつきがなくなっていったのでしょう。

しかしそれだけではありません。
皆さんは茶道の世界で1..楽 2.萩 3.唐津といわれているこ
とはご存知でしょうか。
何かの本(たぶん加藤陶九郎の本?)で読みましたが、その
3箇所のやきものに共通する点は、あたたかみのあるやきも
のということでした。

どういうことかと言いますと、お茶を点てた際に熱を通しやす
い磁器ですと、よく沸いた湯では熱くてもてないほどになりま
す。
しかし、上の3つのやきものは土自体に多量の空気を含んで
いるために保温力もあり、熱伝導率も悪いので、暑い夏は熱
を通しにくいため、暑苦しくなく、冬は保温力があるため冷め
難いのです。さらにはその手触りや雰囲気から、お茶をまろ
やかな味にしてくれるような気がします。

私がやわらかい雰囲気を感じたのは、そういうところからきて
いたのかもしれません。

私が唐津焼にはまり込んだ理由は、どうしてもあの雰囲気を
持つやきものが作りたくてしょうがなくなったその時からでしょ
う。

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